筋トレ母さんのアメリカ滞在記

筋肉大好きなニ児の母、夫の赴任で子連れアメリカ東海岸生活スタートしました。

弟から学んだシニア世代との会話方法と自分が失いつつあったもの

お久しぶりです!

自宅隔離を開始してから2ヶ月半が経過しました。私の地域はいまだに自宅待機の指示が出たままです。

人は時間を無限に与えられたとき、結局は自分の本質的な欲求に従って行動してしまうのだな、と感じています。

つまり、筋トレ三昧してます。

シックスパックの作り方、とかいう体長2Mあるアメリカ人男性が教えてくれる腹筋ルーチン動画を熱心に見て自分の好きな曲にアレンジして楽しんだりしてます。

あと我ながら偉いと思うのは、トレーナー系資格試験の勉強と、韓国語の勉強を毎日コツコツ続けています。でもなんで続いてるかっていうと、ひとつにはこれらが私の今の目下の生きる希望(筋トレ&Kpopアイドル)と直結しているからに他ならず、結局は露骨なまでに人間は己の欲望にしか忠実でいられないのだな…と感動しています。

もう一つは、これだけの時間を与えられて、あとで振り返ったときに単なるTHE空白という印象にしたくないなという、謎の負けず嫌い精神もあります。

新型コロナウイルスというグローバルな感染症のおかげで何もかもが狂ってしまった2020年前半…本来ならば今日は地元のスタジアムで推しグループのコンサートが開催される予定で、本来ならばそんな彼らを1F席最前列の「神席」で観ながら号泣している予定でした。はたまた本来ならば夏休みに日本に一時帰国する予定で…

本来ならば・・・!!

でもコロナ、お前に振り回されただけの2020年にしないぞ!という、コロナに対する反骨心があります。なんか知らんけどこれからの生き方や価値観をガラッと問いかけてくるというコロナの挑戦に乗ってコロナとガチ喧嘩するためにも、この寝ても醒めても自宅にいる期間を何か意味のある期間にして、やみくもにパワーアップしておいてやるからな!という、コロナへの燃えたぎる戦闘心が自分の中にあるようです。


さてそれはともかく、こんな非常事態だからこそ生まれた新たな素敵習慣というのもあります。

実弟の提案で、毎週1回30−40分だけ、日本に住んでいる両親(田舎の実家)と、弟(東京)と私(アメリカ)をつないで、私が彼らにストレッチを教えるという回をゆるーく継続しています。

最初はLINEのグループ通話で、その後、画面がもっと大きいほうがいいということで(親のiPadにはLINEが入っていないという事情)Zoom通話に移行しました。

海外にいる家族と通話するなんて学生時代に留学していた頃は「国際電話」一択、しかもめちゃくちゃ電話代が高かったので、今の時代はこうやって海外にいても顔を見ながらおしゃべりできて、しかも無料!しかも体まで一緒に動かせる!っていうテクノロジーの進歩による恩恵が夢のようだなーと思います。

70代の父と60代の母と、週に1回顔を見ながらポツポツ話すのもいい健康チェックになるし、謎の角度で真下から見げる母の素顔には味わい深いものがあるし、ストレッチをするわけでもないのに無の表情でzoomに参加している父の様子も趣深いし、コロナでの自宅隔離がなければこんなに定期的にビデオ通話することもなかったので、弟の提案に感謝しています。

で、私が感動しているのがもうひとつあって、それは弟のすごさですw


Zoomで両親とつないで、とさらっと書いたけど、シニアな両親とそんなにさらっとアレできるわけはなく、まず私がLINEグループにZoomリンクをコピーして教えても、それをクリックしても開けないと言う(端末にアプリが入っていないから?)。

で、私がLINEに貼ったZoomの部屋にまず私と弟が入室するんだけど、親はやってこないので、すかさず弟は母に電話。そう、テレビ電話するために電話。電話しながら、私がLINEに貼った部屋情報を両親のメールのほうに送り、さらにZoomの部屋番号とパスワードを読み上げて教えてあげる。これがルーチン。

シニアには即電話。これがひとつめの私の学び。

私は大学で東京に行ってからというもの両親と2週間以上一緒に過ごしたことがないのと、特にここ最近のシニア期に突入した彼らとゆっくり話す機会もここ数年あまりなかったのですが、弟は少し前まで両親の近くに一家で住んで頻繁に行き来していた。それもあってかシニアフェーズに入った両親への説明の仕方や態度が非常に手慣れている。

それは、
・ややこしいことは即電話
・ゆっくりはっきり喋る
・焦らず大丈夫、などの心がけをまめに行う(シニアはイライラしてすぐ夫婦喧嘩になるので)
・同じことを聞かれてもイラつきを見せず、なんなら一層ゆっくりとしたトーンでもう百回説明する

などなど。。。

いや、よく考えたら両親はシニアのわりにデジタルを活用できている方だとは思うんです。父はずいぶん前からiPhoneユーザーだし古い写真をデジタルにしてLINEで送ってきたりもできる。

しかし、この間はなぜか「両親宅の巨大TVの画面にZoomを映し出す」という大プロジェクトに取り組むことになっていて、前半のセッティングを弟2号がやってあげたらしく、結果的に成功していたのですが(すごい)、両親ともめっちゃイライラしておりw 私はより一層あの環境で遠隔で指示しつづけられる弟の忍耐強さに感動したのでした。

文字情報だけだと正確に打てないらしいからパスワードを音読して伝えるけれど、「ゼロ」だと言ってるのになぜかアルファベットの「O」を入力する父…

あるはずのログインボタンをなぜか無いと言い張る父…

両親とも別の端末で入っているためハウリングしまくる音響…

何度管理者がミュートにしてもなぜか自力でミュートオフしてくる父…

そして30分予定のセッションのうち20分ぐらいこの設定サポートに費やしているのに、もう一歩で解決のところで「もう時間がもったいないから前の方法でやろう」とイラつきはじめる母…

そんな常軌を逸したオラツキフェスティバルみたいな環境で、なぜか弟はずっと落ち着いた口調で別のやり方で同じ説明をしたり優しくなだめたりしている。

保育士か?と私は思った。

というか2歳下のこの弟のことも、「部屋が汚い」「理屈っぽい」「お腹が弱い」などの高校生時の記憶がそれ以来ほとんど上書きされてないので、

いつの間にかそんな大人になっていたんだね!すごいね!
という感動があった。

 

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(無事zoomでストレッチできてよかった)

「子供と接するときも同じやん」と弟は言っていた。そうか、もはやシニアな両親と接するときのコミュニケーションの基本はそれなのか・・・。つまりリスペクトの気持ちを持ちつつも、わからないことはキレずになんども説明してあげる。あちらがイライラしてキレ始めてもこっちはつとめて同じトーンでいる。

弟にはまだ幼い子供が二人いるから、という理由も大きいかもしれない。

私は、我が家の12歳と16歳の子供たちに根気強く何かを教えるみたいなことはほとんどなくなってしまったし、もはやいつも彼らに「母ちゃんiphone10年以上使っててなんでそんなに無知なのw」「母ちゃんネットリテラシーないよねw」「プラグインソフト入れるとき間違ってスパムソフト入れないでよw」などと常にバカにされている。子供たちはもはや親より頭の回転が早く、ことデジタル機器周りでは親に教える立場になっている。

つまり私は子供の成長とともに、またコロナでの隔離生活の中で、第三者の「わからない」という状況に寄り添ってともに乗り越えるという機会が激減してしまっているんだと気づいた。(むしろ自分の「わからない」におつきあいしてもらう側になってしまっている)

わかりにくいことを根気強く教えたり繰り返したりする「辛抱強さ」と、相手がイライラしまくってても冷静さを失わない「平常心」などのスキルをかなり失くしてしまっている気がする・・・

でもそれはつまり、子育て真っ最中に強化できる「人としての性質」っていうのがあるんだということで、それに気づけたのは素敵なことでした。

これまで、「子育ては自分育て」とか「子育てで身につく新たなスキルもある」などの論説をあまり深く検証したことがなかったんだけど、両親に辛抱強くZoomの橋渡しをする弟の様子を見ていると、子育てにしっかりコミットすることでこんな新たな特技(?)が身につけられて人間性が向上するんだとしたら、子育てってやつはなかなかすごいなあ…と思わされた。

というかなにも子育てに限った話ではなく、理解のスピードとか理解する上での前提常識が自分とは違う属性の人とつきあうことが、寛容さやコミュニケーションスキルを磨く上ではやはり必須なのかなと思った。同じ集団で同じような日々を暮らしていたらいつの間にか「わかりあう」ことにかけるエネルギーを確保しなくてよくなり、その代わりいつの間にか失っていく資質のようなものってあるんだろうな。そう思うと海外暮らしの自分は、まだ成長できる機会はこれからたくさんあるのかもしれないです。

また本題と少しずれるけど、デジタルディバイドというのは端末とネットワーク環境さえ整えば解決できるわけじゃないんだろうなーという、今話題の問題についても考えさせられました。例えばオンライン教育でも、環境によってはZoomで授業を受けるまでたどり着くために何層ものサポートが必要なケースがあるんだろうなと。


なにはともあれ、私に新たな発見をくれた弟に感謝だし、そんな発見があったと感動のあまりその場でこれを話しても爆笑してくれた両親リスペクトだし、コロナがくれた貴重な時間というのは確かに存在するのかな、と思いました。